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コンサルタント コラム

主任コンサルタント 柏原 吉晴

<ISO22000:2018年版解説(3)>
テーマ:経営に貢献するISO22000:2018

前回解説した「4.1」で組織の外部及び内部の課題を明確にしました。
今回は、4.2「利害関係者のニーズ及び期待の理解」の解説をします。

4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解
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組織が食品安全に関して適用される法令、規制及び顧客要求事項を満たす製品及びサービスを一貫して提供できることを確実にするために、
組織は、次の事項を明確にしなければならない:

a) FSMSに密接に関連する利害関係者;
b) FSMSに密接に関連する利害関係者の要求事項。

組織は、利害関係者及びその要求事項に関する情報を特定し、レビューし、更新しなければならない。
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求められていることは、「利害関係者と、その要求事項を明確にすること」です。

まず組織にとって重要な位置を占める利害関係者を明確にして、その利害関係者の満足を向上させることが、組織の継続的な発展に寄与します。
まずはそのことを認識し、彼らの要求事項(ニーズや期待)を明確にします。
この情報は、4.1の外部・内部の課題と同様に、毎年見直しをします。

前回の外部及び内部の課題の明確化、及び今回の利害関係者の要求事項の明確化、どちらも組織の現状を把握し、組織の経営戦略を練るのに重要な示唆を与えます。

ここで利害関係者を整理します。ISOの定義は、「ある決定事項若しくは活動に影響を与え得るか、その影響を受け得るか、又はその影響を受けると認識している、個人又は組織」となります。

一般的に、顧客、消費者、オーナー、親会社、株主、従業員、供給者、銀行、組合、提携先企業、競合先、市民団体、地方公共団体、政府、圧力団体など様々あります。
組織にとって「密接に関連する」と思われる利害関係者を特定すれば良いです。
基本は顧客です。要求事項では「製品及びサービスを一貫して提供できることを確実にする」のを求めているので、自社製品及びサービスの売上にとって、影響ある顧客、ターゲットとしている顧客を意識すれば良いです。
将来の顧客を意識するのも良いでしょう。
彼らが必要としていることをマーケティングして、市場の心をつかむことです。
マーケットニーズは常に変化しますので、適切な監視手段の構築も同時に望まれます。

食品会社は、この改訂を機に、ハザード分析だけではない、組織のリスクマネジメントのツールとして、この規格を活用してほしいと願います。

次回は、4.3「食品安全マネジメントシステムの適用範囲の決定」です。

柏原 吉晴(かしわばら よしはる)

Yoshiharu Kashiwabara

TBCSグループ、株式会社フィールズコンサルティング 取締役
(ISO / FSSC / 経営支援のコンサルティング実績 300社以上)
東京農工大学大学院、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修了(農学修士、MBA)
QMS及びFSMS審査員研修修了

大学院修了後、ホテル・旅館向けの経営及び衛生コンサルティングを行う組織で、 全国40社以上のホテル・旅館の人件費削減、HACCP厨房設計、システム運営指導、ISO認証支援を行い、また、全国50社以上の食品衛生指導、浴場衛生指導を定期的に行ってきた。
2008年からは、株式会社TBCソリューションズで、QMS、EMS、及びFSMSなどの認証取得や運営のコンサルティング、内部監査員養成研修講師、及び経営コンサルティングを担当した。
2018年10月からは、TBCソリューションズから分社化し、食品専門のコンサルティングファームとして、株式会社フィールズコンサルティングを設立、取締役に就任し、 FSMSを中心に、食品会社向けの総合的なコンサルティングを提供している。また、全国各地での講演や、執筆活動も行っている。

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