主任コンサルタント 柏原 吉晴
<ISO22000:2018年版解説(17)>
テーマ:経営に貢献するISO22000:2018
TBCSグループの食品会社向け専門コンサルティング組織である株式会社フィールズコンサルティングの柏原吉晴が担当します。
今回は、「7.4.3 内部コミュニケーション」を解説します。
ISO22000では、社内で伝達・共有すべき情報について、具体的に規定しています。
また、変更又は変更予定があれば、タイムリーに食品安全チームに伝えること、食品安全チームは、この変更情報を、システムの更新に含めること、重要な情報は、トップに報告すること、これらをタイムリー、且つ定期的に実施しましょう。
要求事項は次の通りです。
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7.4.3 内部コミュニケーション
組織は、食品安全に影響する問題を伝達するための効果的なシステムを確立し、実施し、かつ、維持しなければならない。
組織は、FSMSの有効性を維持するために、次における変更があればそれをタイムリーに食品安全チームに知らせることを確実にしなければならない。
a) 製品又は新製品;
b) 原料、材料及びサービス;
c) 生産システム及び装置;
d) 生産施設、装置の配置、周囲環境;
e) 清掃・洗浄及び殺菌・消毒プログラム;
f) 包装、保管及び流通システム;
g) 力量及び/又は責任・権限の割当て;
h) 適用される法令・規制要求事項;
i) 食品安全ハザード及び管理手段に関連する知識;
j) 組織が順守する、顧客、業界及びその他の要求事項;
k) 外部の利害関係者からの関連する引き合い及びコミュニケーション;
l) 最終製品に関連した食品安全ハザードを示す苦情及び警告;
m) 食品安全に影響するその他の条件。
食品安全チームは、FSMSを更新する場合に、この情報が含められることを確実にしなければならない。
トップマネジメントは、関連情報をマネジメントレビューへのインプットとして含めることを確実にしなければならない。
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食品安全マネジメントシステムが常に効果的に運用、実施できるよう、従業員間での円滑なコミュニケーションが求められます。
このa)~m)の変更情報は、私は4М管理(変更点管理)として捉えています。
ab)はMaterial、cd)はMachine、ef)はMethod、g)はMan、h)~l)は外部変化要因です。
これらの変更情報の管理は、品質及び食品安全管理に直結します。
この4つの変更点を、コミュニケーションと共に、厳格に管理し、いついかなる場合でも安定した品質および安全な製品を提供しましょう。
次回は、「7.5 文書化した情報」を解説します。