主任コンサルタント 柏原 吉晴
<ISO22000:2018年版解説(34)>
テーマ:経営に貢献するISO22000:2018
TBCSグループの食品関連向け専門コンサルティング組織である株式会社フィールズコンサルティングの柏原吉晴が担当します。
当社は、JFS規格の監査会社もしています。
本日は「8.8 PRPs及びハザード管理プランに関する検証」について解説します。
この要求事項は、HACCP7原則の原則11に該当します。
要求事項は、以下の通り細分化されます。
8.8.1 検証
8.8.2 検証活動の結果の分析
要求事項は以下の通りです。
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8.8.1 検証
組織は、検証活動を確立、実施及び維持しなければならない。
検証計画では、検証活動の目的、方法、頻度及び責任を明確にしなければならない。
個々の検証活動は、次の事項を確認しなければならない:
a) PRP(s)が実施され、かつ効果的である;
b) ハザード管理プランが実施され、かつ効果的である;
c) ハザード水準が、特定された許容水準内にある;
d) ハザード分析へのインプットが更新されている;
e) 組織が決定したその他の活動が実施され、かつ、効果的である。
組織は、検証活動を、同じ活動のモニタリングに責任を有する人が実施しないことを確実にしなければならない。
検証結果は、文書化した情報として保持され、また伝達されなければならない。
検証が最終製品サンプル又は工程から直接取ったサンプルの試験に基づき、かつ、そのような試験サンプルが食品安全ハザードの許容水準への不適合を示した場合、組織は影響を受ける製品ロットを安全でない可能性があるものとして取り扱い、かつ、8.9.3に従って是正処置を適用しなければならない。
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なお、「8.8.2検証活動の結果の分析」は、
9.1.1と9.1.2の要求事項で包含できるので、内容はありません。
まずここでは、検証計画を作成しましょう。
検証対象は、
a) PRPs
b) ハザード管理プラン(OPRPとCCP)
e) その他組織が決めたルール
これらは、実施と効果を検証しなければなりません。
更に、
c) ハザードの発生水準が、許容水準内にあること
d) 原料や製品の特性、意図した用途、フローダイアグラムと工程毎のパラメーターなどが更新されていることこれらを検証しましょう。
それぞれに、検証活動の目的、方法、頻度及び責任者(または部門)も明確にします。
検証者は、現場の担当者(モニタリングする人)ではないことも重要です。
検証結果は記録として残します。
要求事項は以上ですが、書いてある量以上に、内容は大変多岐にわたります。
PRP、OPRP、CCPなどの検証については、食品安全上の検証として、システム上、しっかり実施してもらいたいですが、それらと合わせて、e)では組織が決めたことに対する検証も要求されています。
ここで品質面についての検証があってもよいと考えます。
食品安全だけでなく品質の向上を意図した労働生産性(時間と生産)や工程不良率などの目標と作業手順の効果・効率を検証することは、FSMSにとっても意味のある取り組みと言えます。
次回は「8.9 製品及び工程の不適合の管理」を解説します。