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コンサルタント コラム

主任コンサルタント 柏原 吉晴

 

本コラムでは、ISO 22000又はFSSC 22000(食品安全マネジメントシステム)の規格解説を中心に、ISO 9001品質マネジメントシステムとの違いや特徴、及びフードチェーン関連組織のISO 9001の活用方法なども解説します。

 

前回は「法的要求事項」を整理し、定期的な食品コンプライアンス研修を提案しましたが、研修を通して、特に一般従業員の業務に対する法令順守の認識を強める意図がありますが、組織としては、それだけでは駄目で、確実に法令順守しているかの順守評価というものが必要になります。ISO 14001規格では、順守評価の要求事項がありますが、ISO/FSSC 22000においてはありません。しかしながら、組織として法令規制の順守評価は必須でしょう。
それを内部監査で実施されてみては、いかがでしょうか。

 

大会社では、経営層に対する会計監査等の内部監査の仕組みが、監査役会や取締役会(監査委員会)を通して、実施されるものと思いますが、ここでの監査の主目的は、組織の理念や方針、戦略や事業計画、会計情報に対する監査、モニタリングの要素が強いと思います。

 

ISOをやっている組織は、内部監査が要求事項上、求められていますが、前述の経営層への監査というよりは、管理者層と担当者に対する監査に近いと思います。
ここでの主となる監査目的は、予実管理、プロセス順守、変化点対応管理、リスク対応管理などでしょうか。

 

これまで仕事上、多くのISO認証組織の内部監査の中身を見てまいりましたが、多くは「プロセス順守(=ルール通りの仕事をやっている)」のための内部監査にとどまっています。
ISOではご存知の通り「継続的改善」を求めています。もっとKPI(業績評価指標)を意識した予実管理(予算vs実績)を実施し、市場・競合・自社分析の結果、導き出したKPIと差異を評価し、予算達成(経営目標)に向けたアドバイスと必要な計画の変更などを、内部監査を通して検討していただきたいものです。

 

法令順守についても、単に法令規制に対して順守しているというだけではなく、法令規制当局との外部コミュニケーション(5.6.1c参照)を通したリスク・変化点管理として、新規ハザード情報や助成金情報、地方及び国の施策の動向など、積極的に法令規制への順守及び利用に関しての内部監査をしてはどうかと考えます。

柏原 吉晴(かしわばら よしはる)

Yoshiharu Kashiwabara

TBCSグループ、株式会社フィールズコンサルティング 取締役
(ISO / FSSC / 経営支援のコンサルティング実績 300社以上)
東京農工大学大学院、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修了(農学修士、MBA)
QMS及びFSMS審査員研修修了

大学院修了後、ホテル・旅館向けの経営及び衛生コンサルティングを行う組織で、 全国40社以上のホテル・旅館の人件費削減、HACCP厨房設計、システム運営指導、ISO認証支援を行い、また、全国50社以上の食品衛生指導、浴場衛生指導を定期的に行ってきた。
2008年からは、株式会社TBCソリューションズで、QMS、EMS、及びFSMSなどの認証取得や運営のコンサルティング、内部監査員養成研修講師、及び経営コンサルティングを担当した。
2018年10月からは、TBCソリューションズから分社化し、食品専門のコンサルティングファームとして、株式会社フィールズコンサルティングを設立、取締役に就任し、 FSMSを中心に、食品会社向けの総合的なコンサルティングを提供している。また、全国各地での講演や、執筆活動も行っている。

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