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コンサルタント コラム

主任コンサルタント 柏原 吉晴

 

本コラムでは、ISO 22000又はFSSC 22000(食品安全マネジメントシステム)の規格解説を中心に、ISO 9001品質マネジメントシステムとの違いや特徴、及びフードチェーン関連組織のISO 9001の活用方法なども解説します。

 

今回は「7.3.5.1 フローダイアグラム」について、解説します。

要求事項は、以下の通りです。

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フローダイアグラムは,食品安全マネジメントシステムが適用される製品又は工程の種類に対して作成されること。
フローダイアグラムは,食品安全ハザードの起こり得る発生,増大又は混入の評価の基礎を提供するものであること。

フローダイアグラムは,明確で,正確で,十分に詳しいものであること。

フローダイアグラムには,適宜,次の事項を含めること。

a) 作業におけるすべての段階の順序及び相互関係

b) あらゆるアウトソースした工程及び下請負作業

c) 原料,材料及び中間製品がフローに入る箇所

d) 再加工及び再利用が行われる箇所

e) 最終製品,中間製品,副産物及び廃棄物をリリース(次工程への引渡し又は出荷)又は除去する箇所

食品安全チームは,7.8に従って,現場確認によって,フローダイアグラムの正確さを検証すること。
検証したフローダイアグラムは,記録として維持すること

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一般的に、製造フローを上から下に矢印を用いて表現します。

よく見落としされる事例を2つ挙げます。

 

①原料のインプット部分

一般的なフローダイアグラムを見ると、最初は原料が書かれています。
大方問題ありませんが、その原料は原料メーカーからの直送ですか?
仮に、輸入原材料を、自社倉庫又は借りている営業倉庫に保管し、製造に必要な分だけ、自社トラック又は委託先のトラックで工場に持ってくるとすれば、そのフローダイアグラムの最初は、「保管」→「輸送」となるでしょう。

 

②再加工及び再利用が行われる箇所

再加工・再利用は、原料、中間品、製品のそれぞれの段階で考えられます。
冷凍原料であれば「解凍」→「調合」する際に、残りを「再凍結」→「保管」するかもしれません。中間品で液体モノや粉モノだと、再利用がよくあります。製品であれば、包装不良に伴う「再包装」がよくあります。

 

いま2つ事例を挙げましたが、要求事項通りに「現場検証」すると、大抵抜けがあります。
必ず食品安全チームメンバーで、現場でのフローダイアグラムの検証を行いましょう。

 

以前に、FSMSもプロセスアプローチを導入しましょうと、本コラムで書きましたが、7章が扱う食品安全マネジメントシステムの範囲は、「安全な製品の計画及び実現」です。
広く解釈すれば、安全な製品を作るためのプロセス(工程)は、何も製造プロセスだけではありません。
受注プロセス、設計開発プロセス、購買プロセスなども安全性に大きく寄与します。
ISO 9001をしてきた組織であれば、ISO 9001の7章をイメージしてください。前述の通りになります。

これら製造以外のプロセスについて、プロセスフローダイアグラムを作成して、ハザード分析し、ハザード管理(=プロセスアプローチ)すると、様々な内部課題が明確になり、より安全に傾注したシステム構築ができると思います。

柏原 吉晴(かしわばら よしはる)

Yoshiharu Kashiwabara

TBCSグループ、株式会社フィールズコンサルティング 取締役
(ISO / FSSC / 経営支援のコンサルティング実績 300社以上)
東京農工大学大学院、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修了(農学修士、MBA)
QMS及びFSMS審査員研修修了

大学院修了後、ホテル・旅館向けの経営及び衛生コンサルティングを行う組織で、 全国40社以上のホテル・旅館の人件費削減、HACCP厨房設計、システム運営指導、ISO認証支援を行い、また、全国50社以上の食品衛生指導、浴場衛生指導を定期的に行ってきた。
2008年からは、株式会社TBCソリューションズで、QMS、EMS、及びFSMSなどの認証取得や運営のコンサルティング、内部監査員養成研修講師、及び経営コンサルティングを担当した。
2018年10月からは、TBCソリューションズから分社化し、食品専門のコンサルティングファームとして、株式会社フィールズコンサルティングを設立、取締役に就任し、 FSMSを中心に、食品会社向けの総合的なコンサルティングを提供している。また、全国各地での講演や、執筆活動も行っている。

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