主任コンサルタント 柏原 吉晴
<ISO22000:2018年版解説(15)>
テーマ:経営に貢献するISO22000:2018
TBCSグループの食品会社向け専門コンサルティング組織である
株式会社フィールズコンサルティングの柏原吉晴が担当します。
今回は、7.3「認識」を解説します。
組織内の一人一人の従業員が、各自の責任を理解し、自らの行動が
組織の目標や食品安全について、どう関係し貢献できるのか、
その行動の意味を理解できれば、その組織のマネジメントはより強固に、
そして、食品安全性の向上に寄与するものと考えます。
要求事項は次の通りです。
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7.3 認識
組織は、組織の管理下で働く全ての関連する人々が、次の事項に関して
認識をもつことを確実にしなければならない:
a) 食品安全方針;
b) 彼らの職務に関連するFSMS の目標;
c) 食品安全パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む、
FSMSの有効性に対する自らの貢献;
d) FSMS 要求事項に適合しないことの意味。
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この要求事項は、派遣労働者など外部人材も含めた全ての従業員に、
①組織の方針や目標、
②食品安全性の向上、マネジメントの質の向上に対する自らの貢献、
③様々なルールに適合しないこと=プロセス不適合や製品不適合がもたらす意味
これらを認識することを求めています。
どれも従業員の動機付け、又はやる気をアップさせることを意図した
要求事項と解釈すると良いです。何をやるにも目的(=意味・意図)がありますが、
仕事の目的を従業員が認識・自覚していなければ、不適合の放置、
改善意欲の低下、生産性の低下、帰属意識の低下につながるでしょう。
組織が、その方針、短期・中長期的な目標の策定意図をしっかり従業員に伝え、
そして、日々の仕事において、自らの頑張りによって、それらの達成に貢献
出来ることを実感してもらうことが重要です。
表彰制度などがあれば尚良いでしょう。
給与や休日なども重要な要因ですが、仕事にやりがいがあると感じている
従業員が多い組織は強いです。
あまり重要視されない要求事項ですが、認識の先に「やりがい」に繋げる
仕組みを是非構築してください。
仕事に対して意欲のある、元気な笑顔あふれる職場にしましょう。
次回は、「7.4 コミュニケーション」を解説します。