主任コンサルタント 柏原 吉晴
今回は、ISO9001「8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更」について解説します。
FSMS(ISO22000)では「7.7 PRP及びHACCPプランを規定する事前情報並びに文書の
更新」、及び「5.6.2 内部コミュニケーション」などに該当します。
まず、8.2.4の要求事項は、次の通りです。
「製品及びサービス要求事項が変更されたときには、組織は、関連する文書化した
情報を変更することを確実にしなければならない。また、変更後の要求事項が、関連
する人々に理解されていることを確実にしなければならない」
ここで言う「製品及びサービス要求事項」とは、
1)適用される法令・規制要求事項
2)組織が必要とみなすもの
が該当し、特に顧客の要求事項は、組織としては外せない製品要求事項となるでしょう。
自社製品としてもOEM製品としても、これらの要求事項が変更されるということは、
内部コミュニケーションを通じて、その情報を共有し、食品安全チームとしては、
確立されたハザード分析の結果、オペレーション前提条件プログラムやHACCPプラン
の更新を検討しなければなりません。
また、変更後の要求事項が、関連する従業員に周知されるためにも、新たな内コミュ
ニケーションや関連する文書の更新が必要となります。
ISO9001とISO22000では、規格のアプローチの仕方が全然違いますが、意図する目的
は同じです。ISO22000の方がより具体的に、7.7で次の文書の更新を求めています。
a) 製品の特性(7.3.3参照)
b) 意図した用途(7.3.4参照)
c) フローダイアグラム(7.3.5.1参照)
d) 工程の段階(7.3.5.2参照)
e) 管理手段(7.3.5.2参照)
これを受けて、ハザード分析関連文書の更新も行われます。
ISO22000では、食品安全関連の変更情報の管理に重きを置きますが、それに加えて、
ISO9001を行っている会社は、品質面の変更情報も収集し、確実にマネジメントシス
テムに反映させてほしいものです。