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コンサルタント コラム

主任コンサルタント 柏原 吉晴

 

ISO 9001品質マネジメントシステムとISO/FSSC 22000食品安全マネジメントシステムの違いや特徴、及びフードチェーン関連組織のISO 9001の活用方法を解説します。

 

今回は、ISO 22000要求事項「6.2 人的資源」について、解説致します。

 

「6.2 人的資源」については、ISO 9001でも同じ要求事項がありますが、ISO 22000では一部追加の条項があります。以下、ISO 22000の要求事項です。

 

「6.2.1 一般」

食品安全チーム及び食品安全に影響を与える活動を実施するその他の要員は,力量をもち,かつ,適切な教育,訓練,技能及び経験をもつこと。

食品安全マネジメントシステムの構築,実施,運用又は評価に外部の専門家の協力が必要な場合は,そのような外部の専門家の責任及び権限を定めた合意の記録又は契約を利用可能な状態にしておくこと。

 

「6.2.2 力量、認識及び教育・訓練」

組織は,次の事項を実施すること。

a)食品安全に影響がある活動に従事する要員に必要な力量を明確にする。

b)要員が必要な力量がもてるようにすることを確実にするため,教育・訓練し,又は他の処置をとる。

c)食品安全マネジメントシステムのモニタリング,修正及び是正処置に責任をもつ要員

の教育・訓練が行われることを確実にする。

d)上記a),b)及びc)の実施状況及び有効性を評価する。

e)要員が,食品安全に貢献する際の,自らの活動のもつ意味及び重要性を認識することを確実にする。

f)効果的なコミュニケーション(5.6参照)を行うための要求事項が,食品安全に影響を与える活動に従事するすべての要員に理解されていることを確実にする。

g)上記 b)及びc)に記述した教育・訓練及び処置について,適切な記録を維持する。

 

以上が要求事項となりますが、ISO 9001と共通の、「力量を明確にして必要な教育訓練を実施し、且つその有効性を評価し、記録する。また、自分の業務の持つ意味と重要性を認識する。」という部分は変わりません。

 

ISO 22000のポイントは、以下の3つです。

(1)外部専門家のサポートについて明確にしたこと。契約書の作成、責任と権限の明確化。

(2)通常の教育訓練とは別に、OPRP・CCP工程に係る要員の特別教育(モニタリング、修正及び是正処置の実施に係る教育訓練)の実施。

(3)外部及び内部コミュニケーションの手順の理解。

 

(1)については、食品安全にしても、品質向上にしても、外部専門家の助言を頂く機会は多いかと思います。よって、役割と責任を明確にして、確実に意図したパフォーマンスの
達成を共有します。

 

(2)は、OPRP・CCP工程というのは、食品安全に直結する工程を意味します。品質マネジメントにおいても同様に、品質に直結する各検査工程や製品設計などに携わる要員に対しては、通常の力量評価や教育訓練とは別に、特に力を入れる必要があるでしょう。

 

(3)は、コミュニケーションを重要視するISO 22000の特徴ある要求事項の一つですが、社内及び社外との情報の発信、収集及び共有は、マーケティングや製品開発、工程改善など、

様々なプロセスで重要且つ基本的な仕組みかと思います。これらのコミュニケーションルールを、全従業員に周知徹底し、円滑な社内の連帯意識の醸成、社外の特に顧客とのコミュニケーションの有効な手順を共有する意図があります。

 

情報通信技術の時代ではありますが、社内も社外も、直接の会話の方が、業務の効率化、売上の向上につながる場面も、多いような気がします。

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